秋田市のスーパーマーケット「伊徳土崎港店」で、開店準備中の男性従業員がクマに襲われるという衝撃的な事件が発生しました。被害者は40代の男性従業員で、クマに頭を噛まれる重傷を負いながらも命に別条はなく、1週間程度の治療で回復が見込まれるとのことです。

　

事件は午前6時20分頃、従業員がバックヤードで準備をしていた際に発生。クマが侵入し、襲撃を受けた男性が「痛い、痛い」と訴えながら発見されました。他の従業員は迅速に負傷者をバックヤードへ避難させ、店舗の外に避難する対応を取ったとのことです。

　

現場の「伊徳土崎港店」は市街地に位置し、近隣には住宅街や海があるものの、クマの生息地である森は5km以上離れている場所です。このような都市部にクマが侵入するのは極めて珍しいこととされ、地元住民にも大きな衝撃を与えています。インタビューを受けた近隣住民からも「信じられない」「恐怖を感じる」といった声が聞かれました。

　

専門家によれば、こうしたケースでは人里に慣れたクマが食べ物を求めて街に迷い込むことが考えられるとのことです。また、人間や車、犬に驚き、身を守るために攻撃的な行動を取る可能性もあると指摘されています。現場では警察や猟友会が箱穴を設置し、捕獲作業を進めていますが、事件発生時点ではまだクマは捕獲されていません。

　

今回の事件は、クマの生息地と都市部の接点が増える中での新たな課題を浮き彫りにしました。今後はこうした侵入を防ぐための対策が急務となりそうです。