### **東埼玉道路の建設状況（2024年9月時点）**

　

東埼玉道路は、国道4号のバイパスとして計画され、東北道と常磐道を補完する役割を持つ全長17.6kmの道路です。専用部（高速道路）と一般部（一般道）からなり、一般部は2025年春に一部開通予定となっています。

　

専用部は用地取得率が51%に達するものの、工事はほとんど進んでいません。一方、一般部は広範囲で工事が進んでおり、2025年春には越谷レイクタウン周辺の3.8km区間が開通予定です。しかし、レイクタウン周辺は渋滞が激しく、専用部の整備が急務とされています。

　

東埼玉道路の起点である相埼ジャンクションでは、外環道のパーキングエリア（外環社PA）の建設が先行して進められています。この工事が進むことで、東埼玉道路専用部の工事も始まる可能性がありますが、進捗はまだ限定的です。

　

東埼玉道路専用部は武蔵野線を跨ぐ橋梁を建設する予定ですが、安全設備の影響で橋の高さを11mに変更することになり、事業費が40億円増加しました。これにより、工事の着手が遅れています。

　

レイクタウン周辺には2つのダイヤモンド型インターチェンジ（IC）が設置予定です。これにより、商業施設へのアクセス向上が期待されますが、現時点では専用部の工事は未着手です。

　

松伏町の大落古川橋では、橋梁の上部工が完成し、舗装工事の段階に入っています。しかし、地盤が軟弱だったため橋梁構造に変更され、事業費が約45億円増加しました。また、春日部方面では一部で用地取得が進んでおらず、工事が未着手の地点も多いです。

　

当初計画とは異なり、国道4号との接続地点が変更され、豊野工業団地付近で連絡線が新設されることになりました。このため、新たな橋梁が建設されていますが、まだ工事は進行中です。

　

一般部の全線開通は2030年頃、専用部の一部開通は2034年頃と予測されています。専用部の全線開通には20年以上かかる可能性が高く、計画通りの完成は難しい状況です。しかし、埼玉県は未事業化区間の早期事業化を要望しており、将来的には圏央道への接続も視野に入れられています。

　

### **総評**

東埼玉道路の建設は一般部が先行して進められており、2025年春の開通は問題なく進む見込みです。しかし、専用部は工事がほとんど進んでおらず、用地取得や設計変更の影響で開通時期が大幅に遅れる可能性があります。今後、専用部の早期事業化が進むかが、プロジェクトの成否を左右するポイントとなりそうです。